浪越学園本校舎

所在地   東京都文京区
用途    専修学校・診療所
構造    鉄筋コンクリート造
規模    地上4階建
延床面積  1288㎡

■場所の特性

文京区小石川の高台、春日通りから伝通院前通りへ入った敷地は静かで落ち着いた環境にあり、名刹傳通院の存在が歴史的特性を形成している。周辺は教育施設が多く、文化の香りが高い特性がある。様々な学生や教師が出会い交流し、地域の人々との交流や文化活動を育み、新しい発見を誘発する学習環境の創造を目指して、「和」と「交流」をテーマとした。

■計画とデザイン

屋根形状は勾配屋根を採用し伝通院前通りに向かって御辞儀するような形として建物の圧迫感の軽減を図った。屋根下にある4階の教室はアール天井として開放感のある空間とした。

外装仕上は1枚ごとに異なるテクスチャーを持つタイル仕上とし、時が経つに従って趣が増すように考えた。エントランスには西日を遮る木ルーバーをゲート状に配置し、ファサードを引き立てている。

インフォメーションを備えた1階の「交流ラウンジ」は、仕上に左官等を用いて落ち着いた雰囲気をつくり、学校の歴史を伝えていく「ギャラリーコーナー」を併設した。眺望が良い立地条件を生かし、ホールと一体利用が可能な「交流テラス」を4階に設けた。

地域の祭り等イベント開催時に人々が集い活用可能な駐車場兼「交流広場」を伝通院前通りに面して設けた。学生や近所の幼児に親しまれてきた「池」は接道した位置に新たに計画し、周囲に緑地やベンチを設けて学校の関係者だけでなく地域の人々と共に親しめるようにしている。

創始者である浪越徳治郎氏の意思を継承し学園の未来の発展に寄与すると共に、学校の存在が周辺環境をより良いものにしていくように考えた。